ちょっとした戯れ





なぁんでこんな事になってんだっけなぁ。
なぁんでこんな事になったんだっけなぁ。

なぁんでだったかなぁ。
どっからだっけ、どっちからだっけ。




あ、いや、どっから、は相変わらずわかんねぇケド、
どっちからってのは真田さんからなんだけどさ。



いや、でもさぁ…………




なぁんで真田さんが上で俺が下なんだっけ。
なぁんか…おかしくね??

いやそもそもさ、真田さんは学校でも大人気の超有名人の成績優秀のボクシング部のエースの、
そんでもってモテまくり大王なんだぜ?
女の子なんて選びたい放題だぜ??

なぁんで成績は愉快なほど低くてスポーツはやる気なくて(イヤ好きだけど授業ってのが…)、
馬鹿話する女友達は沢山居てもキャーキャーなんて言われた事の無い俺を選んだんだ???



………この人、もしかして真性だったのかな。


あーそういえばそうだよ。
普通、女子があんだけ群がってんのに素無視できる男なんかいねぇもの。
オカシイじゃんな。

あーそうか。真性か。

勿体無いなぁ…こんなにカッコイイのに。
横顔だってさ、スゲー綺麗だし、目もキリってしてるし。
それにホラ、結構抜けてて可愛いし、無愛想だけど意外と優しいし。
イヤ、荒垣さんのほうが無愛想だけど優しかったか…どうでもいっか。
体もかなりイイと思うんだよな…
足長いし筋肉あるし、手だって結構大きくてあったかいし。



なんて考える間にも、真田さんはあってー間に自分も素っ裸になってる。
うん、俺はもう15分以上前から一糸纏わぬアラレモナイ姿デスヨ。

真田さんに脱がされて。


いやー、コノヒト、仕事速いわ。


そんな感心してる場合じゃないんだけど。
こっからあと少しもすれば俺は尻が痛くなるような事をされるワケだし。
……気持ちいいってのも否定できないんだけどな。



あ、ダメだって真田さん、俺、ソコ弱いから、くすぐったいんだって…!



「今日は随分と余裕じゃないか、…順平」


信じらんないくらいにエロい顔して真田さんが俺の上に居てる。
大概…ってゆーか、俺、毎回下なんだよね。
基本的に俺が上に乗っかって動くってのもなく…て、


だから真田さん、イキナリそこ、触んの、ヤメ……!!!
…は?え、いや、だからそうじゃなくて……

そもそもさー、コノヒト、何でこう恥ずかしげもなく愛してるとかさー言っちゃうかなー。
俺はそんなの…言えねぇっつーの………



いや、本当は…うん、言ってあげたい気もするんだけど…
顔、とかさ。…見てたら………んなの、無理じゃん。

恥ずかしいし……




てゆーか痛い痛い痛い!!!スンマセンって、考え事してたのは謝りますって!!!
てか俺が考えてたの、真田さんの事だから!
嘘じゃねっすよ!!!

…え?べ、別に……いいじゃないっすか…
それより続きしましょうよ、続き。
もう、さ、ホラ、結構いきり立っちゃってますし、ネ。お互いに。


いや……ぅん……だから、

真田さんのこと、カッコイイなぁとか…
何で俺なのかなぁとか……
あとコノヒト真性かなぁって。


え?真性って、アレっすよ。
真性ホモ。






アイタタッタタッタタタタタ!!!!
マジスンマセン!!
いや、俺も人の事言えない状況ですけども!!

てゆーか俺なんてケツ掘られてますしね!!

イタイイタイ!!
アイタタってかくすぐったい、くすぐったいから腰はやめてって!!
痛いよりくすぐったい方が厳しいから…!!!!





あぁ、……ハイ、そっすね。
声はあんま出しちゃマズイっすね、お互い。

うん。



え、……まぁ……そうっすね。……

うん、そりゃ………俺、その趣味なかったのに大人しく下になってるくらいですから、…察してくださいよ。





……………うー…うん、俺もっすよ。
……はい、…………





アイシテマス。



*******
ひたすらに恥ずかしい。

真田は真性じゃないと信じたい。
…真性でも面白いか。(あれ?)